坂本真綾夕凪ループ

今までとは路線が明らかにポップス路線志向が強くなったアルバムだった。
ハズレなアルバムだったって訳では決して無く、坂本真綾の美声を聞かせるボーカルは健在ではあるのだが、このアルバムで一番評価が上がったのってボーカルの坂本真綾でもなく、楽曲を提供したh-wanderを始めとする作家陣でもなく、ノータッチだった菅野よう子だった気がする。菅野よう子楽曲を歌っていた時は坂本真綾っていうブランドのせいで絶対的に菅野よう子の楽曲の素晴らしさが感じられなかったけど、これを聞くと「あ、菅野よう子って凄かったんだな」って思わされる。こう書くとちょっと酷く言い過ぎるかもしれないけど、俺が今まで坂本真綾に求めていたものが殆どこのアルバムには詰まっていなかった。
一番聞いてて違和感を感じたのが、渡辺等さんを始めとするベーシスト泣かせの出鱈目な(笑?)ベースラインと、ちょっと小悪魔的に感じたものを皮肉っぽく表現してたあのちょっとアクのある歌詞の中の言葉が殆どなくなってたこと。彼女の年齢に沿った大人なポップスを目指すと自然となくなっていくのが必然なのか。
聞いててこれは一番面白いと思ったのが、9曲目のユニゾンのボーカルとテルミンをハミングさせる部分。曲調が変わる前までの部分は物凄い良かったが、2分50秒以降の部分は聞いててなんだこりゃと思った。